ドメーヌ、クロ ド テンリュウ

銘酒その本質を人が知るには限界がある。人を喜びに導く美味さには理由があり、それを実践して物を伝える。グラスの注がれたその液体は様々に事象や変化の結果と言う事。その事象とは何か変化とは何かの結果。サイエンスとアートを織り交ぜ描いた酒質迄駆け上がる。モノづくりとは果てしないロマン。

製作していた諸々もの醸造設備が最終ラインに乗って色んなものが形になりだした。ちょっと忙しくてブログの更新が遅れすいません。体調もなかなか元に戻らず本調子とは言えない。こいつはデフォルトにちょっとだけアレンジ。
R1-D1

仕上がりでは3本足のキャスターがついてどこへでも移動できる。100literの赤用発酵タンク。超小型ではあるがPICやタワーフィルタードレン。クーリングジャケット。レベラーやサンプルコック温度計とブローオフバルブ等フル装備のR1-D1。
R1-D1内部





色々なんで、画像でお伝えします。
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今、シンガポールへ出張に来ている。WBLTJの営業と仲間のお客さんと仕事で、かのマリーナベイサンズ。お陰で鬼忙しくて昼の商談と夜は設計物のCADの修正と、国税庁の安件と決算申告と、通関書類等の作成とロジスティックの手配と19時間労働だ。退院してから1日しか休みがない。其れでも各国のワイン生産者やディステラリスト話しをするのは楽しい。コチラが単に買う側だけで無く、あなたと同じ様に造る側だと言うと突然態度が変わる。親しくなるのだ。
Les petite domaine l'anterijance のタイトルに反応する。
何がどう違うのか?其れに具体的に応えていくと熱心聞き入る。ありがたいと同時に新しい事にトライして良かったと思える。中にはフランスに輸入しないかと逆に商談を持ちかけられる。

日本からの来場者は少ない。台湾や中国の来場者は多い。今回其れらの国のメディアに思わぬ取材を複数受けた。ひょっとするとクロドテンリュウは日本よりも中国や台湾で有名になる確率が高い。とても細かく聞いてくる。

ワインの買い付けの方は、今はまだ公表出来ないが何とボルドーの2級の樽買いの商談に成功!
取引先を明かさない条件なのでAOCも伝えられない。
其れとあのレスプリドシュバリエブランの2015を再仕入れできた。
他にも新たなジャンルの商材を発見出来た。
今日もまた鬼忙しいのは続く。


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明日からリリースされる2本のワイン。
同じ圃場から同じ品種で同じ日に収穫して、2タイプ造りました。仕上げたアルコールも同じです。
ちがうのは糖分のみです。醸造は勿論違います。
全く両極端のワインです。超極辛口。アウスレーゼクラスの糖分。
なのでDr.ジキルとMr.ハイドと名付けました。
Dr.ジキル

Mr.ハイド


先に更新した記事ですが、訳あって非公開にさせていただきます。
数値、その他のデータもプルーフとして公開を停止します。

事実として公表出来るのは回収に成功したと言う事です。 
あしからずご理解ご了承ください。 

絵心、詩心、酒心のラストを今回のDMの付録で書く予定でたったが紙のDMにスペースがなくなり、ワインのコンディション画像さえ別刷りになったので、仕方なくブログに書くことにする。

クロドテンリュウでは様々な新しい知見を確立するために仮説と実証を繰り返している。
その内の一つ、赤ワインの様々な状況での発酵による酒質の違い。知見としては実際に試すことでより考察が深くなる。
たとえば温度や嫌気、酵母セル数等様々に仮説を立てて実行するは面白い。似たような論文はあるが実際に試す、実証方法を多角的にアレンジすることで府に落とす事が出来る。
そんな中で発酵環境の大きな要因の一つとして発酵温度がある。
これも結果から原因や要因をさかのぼる。たとえばこうだ。

なぜ1966年のフランスワインは全土でとても高い粘性があるのか?
とても官能的でセクシーだ。
ブルコーニュばかりではなくボルドーもそうローヌもロワール、シャンパーニュですらとても高い粘性を示す。粘性を示すとは液体の各分子の密度に粗が少ない。もしくは逆に何か大きなクラスターを示す物質混在しているか。赤ワインは一般に低温で長期に慎重に発酵されるのが良しとされているが、醸造用冷却チラーなどある筈もないのが1966年だ。下のフィギアの様にフランス全土がアフリカ大陸からのた大きな高気圧に全面覆われブドウもかなり熱を持った。1966年9月1日0時。ただこれを読み解くと放射冷却による夜温は低く糖とアミノ酸は豊富な年である。
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さて。この年の赤ワインの発酵温度は何度になっているのか9月1日から9月15にまでの平均気温は?
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9月10日午後18時の温度分布。この当時ボルドーもブルゴーニュも発酵を地下に持っていた蔵はほぼ皆無だ。すると発酵時のfoからf1までの速度は当然早い。マストの溶残酸素はどの程度か。
理想とは全く程遠い状況で最高に官能的なワインが生み出された。何故か?
この官能の仕組み、エロさの魅力に仮説を立てていく。
ブドウの果皮の蝋質の厚み。アミノ酸や窒素の量。グリセリンの生成状況。これらはすべて温度が司る。
何がいいたいかは察してほしい。

シャトーキリバヤシでは、醸造用ポンプと醸造用フィルターもない。醸し後のプレスもしないので赤ワイン用のプレスもない。絞らないマールを造りたいからだ。
逆に醸造用タンクは特殊な物を色々と取り揃えた。すべてオリジナルデザインの用途別発酵タンクだ。
発酵温度調整用のサーマルジャケットの良いところはどんな外周でも形でも貼り付ける事が出来る。ただし、とても熱伝導は長期的な使用を設定で温度変化は遅くじわじわとしか効力が発揮できない。これも小型なタンクを4つ造った。
かたやウォータースライダーベルトは大量の冷媒(ブライン)や温水を一気に流す事が出来るSSDATA(スーパーソダッタ)では、冷媒や温媒を大量にサークルさせるため、角度を変えて効率を追求する。
こんな目的で活用することもできる。ある一定の期間だけ危険でタブーとされる高温抽出を行い。1966年の醗酵状況を時短でシュミレーションする。その後に急速冷却に移りわずか一時間で20℃以上の醪温度下げる。この時注意しなければならないのは通常の304ステレス鋼では熱膨張や冷温伸縮で金属疲労が激しくなりタンクに穴が開く。実際にそんなタンクで造られワインを購入したことがあり、事件となった過去がある。40℃であたため、6時間後にSSDATAを発動して一気に20℃に落とす。そしてその後12℃でゆっくりと5週間。仮説を実施するための特殊タンクだ。そして同一のブドウを同じ大きさ同じタンクで通常の仕込みで最初から12℃で行う。
さて、どうして66の後に66のスタイルがないのか? あのエロさはどこへ行ってしまたのか?
もっとも近いのが82だがフランス全土ではない。ブルゴーニュでは収穫前に雨が多く降って粘性は希釈された。今から60年前の醸造スタイルで当時の状況を再現し、現代の醸造スタイルどちらが美味しいのだろうか?あの官能の美女は現れるのか。もっともよい結果はどちらも美味しい。それを導きたい。
だが、模倣できない点がある。こんなデータもある。大気は模しようがない。
19世紀S



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