ドメーヌ、クロ ド テンリュウ

銘酒その本質を人が知るには限界がある。人を喜びに導く美味さには理由があり、それを実践して物を伝える。グラスの注がれたその液体は様々に事象や変化の結果と言う事。その事象とは何か変化とは何かの結果。サイエンスとアートを織り交ぜ描いた酒質迄駆け上がる。モノづくりとは果てしないロマン。

カテゴリ: ワイナリー

1979 CONTI 6LH

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写真だけ見せられても何も分からんという声に。動画で解り易く説明。
マスカットベーリーAで実際に使ってみます。

https://www.youtube.com/shorts/_E6PhWP_tPE
ショートは貼れらなかったのでリンクで



Muscat Bailey A Primeur 20:1  限定108本 9CSのみです。
今年のマスカットベーリーAはとても天候に恵まれ、健全で糖度の乗ったものでした。
この出来の良さを是非新酒で味わってください。
今年のマスカットベーリーAのバリエーションはリリース順に以下の通りです。
Muscat Bailey A Primeur 20:1  
来夏7月にストリングスが300本 25CS
来冬12月最良ブドウのスペシャルキュベ・プレ・マセラシオン・アショウのカルトブランシェが限定108本 9CS
来来冬25年1月スパークリング・ストリングスが限定108本 9CS
来来夏25年7月フィーヌ・ド・ストリングス300ml Alc40%が36本

マールをベースにしたEau de vide marc au caféは新年に

Photo LOIC (1)
ブルゴーニュのシャロネーズの名門、シャトードブーグヌフの当主7代目
メルキュレーの雄 Domaine de Suremain  DE SUREMAIN LOIC MARIE JEROMEMR
当社のとは5代目から付き合いでもう25年以上。
https://www.domaine-de-suremain.com/
CAVES (1)

10日から21日まで来日、日本各地のホテル・レストラン、ワイナリー、ワインショップとコラボ。メーカーズディナーやメーカーズセミナーを開催。ワイナリーセミナーも。
勿論、焼肉日本一の街、飯田。その飯田で長野県No1の焼き肉店ともコラボが実現。本格的に入り口はホからワイエを作り、アミューズとアペリティフを設営。そしてクロドテンリュウのマノワールで宿泊。新潟と飯田ではワイナリーセミナーを。
東京、新潟、長野、名古屋、京都とサーカスします。


クロドテンリュウのロゼワイン、赤ワインの製法で一般的なプレスワインは使いません。
何故なら当社はマールを蒸留するのでカットする材料、つまり液体を確保しておきたい。
蒸留行為はディステラチュール・リクリストの本分であり、良いオードヴィーからは良いリキュールが造れます。
なので今回は約100リッターのブランデーを造り、内半分はマールとして。残り半分はリキュールにします。
今回は地元、飯田市のコーヒーの名店トロピコさんからご協力をいただきコーヒー豆を分けていただき、25年振りにコーヒーリキュールを造ります。"コーヒー・ブラデー"と仮名つけ造ります。(国税への製造申告に必要。) ベースになるのはやはり単なるブランデーよりも香ばしいマールがよく合い。オークチップでニュアウンスも与えます。
お恐らく豆はアンチグワ、エチピアとコーヒールンバにも出てくるモカマタリをブレンド。その豆を熱風により密閉焙煎にてイタリアンローストの深入りコーヒー豆。色んな大きさにグラインドして80℃の水と20℃ブランデーでドリップする予定です。
糖分を何にするかは未定。
マールのみ
マールのベースだけでも約500リッターはあります。
メルロウ
メルロウ
甲州とピノノワール
ピノノワールと甲州。もうすっかり色素は抜けて
マスカットベーリーA
マスカットベーリーA

今年はメルロウとピノノワールはマセラシオン・エクステンデで46日醸し。
マスカットベーリーAは3週間醸し、果皮の7割をマールに。残り3割はやはり45日醸す。
カットは2台の釜で切ります。70リッターの単式チューニングモデルと下の200リッターの可変カラム。
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この釜は新潟でも使っていただいてる当社設計の釜。それぞれ皆さん好きにチューニングしてます。
ここに写る二人のカットマンは私の教え子で、一人は日本の最優秀ジンに選ばれたカットマン。
私の誇りです。今や生徒さんから教えを頂います。色々気を遣う優秀な二人で、「俺カットのジンとどっちが美味い」と比較試飲すると、「先生のです。」と本当にいい人間性です。





前回のブログ紹介したのはコールドセットのことです。
SNSで多くの問い合わせがきていますが
コールドマセラシオンとは全く違います。こコールドマセラシオンはコールド・プレ・マセラシオンのことで単なる低温浸漬です。
コールドセットは分子レベルの話で糖分と水分子配列による作用です。
お恐らくまだ日本では用いられた話は聞いてません。
なのでまだ人類が経験したことがない味になればいいなと思っています。
その為のハードと材料を用意しました。
フランスでもシャンパーニュやブルゴーニュのトッププロ達が密かに用いる手法です。

研修参加者の皆さん、大変ご苦労さんでした。
無事に通常ワインの仕込みは終えました。
我々はもう身体がボロボロですがなんとか仕込みを終えたのでご報告。
・濃厚ベーリーA (プレマセショォのフルボディ、人類が初めて経験するベーリーA)
・ストリングス・ヴィオラ (去年よりもボディが大きく余韻も長い)
・プリムール20:1    (去年よりも発酵が早く12月にリリース)
・メルロウ   (ワイルドな印象。プチベルド8%混醸)
・ピノファン (マセラシオンエクステンデット。コートドボーヌな仕上がり、試飲した全員が絶賛)
・あさやけ(約180本程を想定。兎に角あさやけとよりそいは当社1番2番人気、再購入のリクエストが高い。これも疲れた。)
・贅沢仕込み甲州 (恐らくこれが今回一番手間と時間が掛かった。とっても贅沢な造りを目指す。仕込みはめちゃめちゃ疲れた。若山もご苦労さん。ほんとに色んな意味で改善を目指し優秀で助かる)
なにせクロドテンリュウは新しい事の挑戦だらけ。フランスの最先端技術の模倣と独自の仮説の事象。そして、本場の伝統的な手法。それを葡萄、全収穫葡萄2トン越えでトライする。
残すはクリオエクストラクション3アイテムとシードル。
リキュールやマールは後程ゆっくりと。
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贅沢仕込み甲州。独自に開発された加圧自重システムの発酵タンク兼デブルバージュタンク。
搾汁した果汁を徹底的に濾過してパルプ質、セルロースを100ミクロンレベルまで取り除く
徹底して灰汁取り迄する。フランス先端醸造法の一つ。ユーゴとルネサンスから模倣。
その後低温で数十日のロングデブルバージュ。
発酵はアカシアの新樽で。

2023あさやけ

完熟した甲州の色を抽出。なかなか甲州の赤い色は再現できないが今年は手間をかけて搾汁方法を3種類。それと加温が上手くいきウメ色を再現できた。
さて、味はまずタンニンをどうするか。処女作のような心地よいタンニンはホントに難しい。あとは残糖分と酸。今から1カ月が勝負。So2を減らして甘さをのこすのは至難の業。
他にもまだ沢山なことを施しましたがとりあえずお礼を。

皆さんほんとにご苦労様でした。美味しいものに仕上げます。




そうそう。あのポンチ絵から出来上がったキャスターがコレ。ハンマー・ストッパーで浮き上がるのでまず動かない。ただ、マンホール側の脚はホイルベースが変わるため必ず前側に接地点を置く。

エクステンデット

一房900gの怪物甲州。糖度18度つまりこれを一房食べると160g糖分なを摂取したことになる。
こんな甲州見たことあります?

モンスター甲州

怪物だろうが、井上尚弥だろうが、目的があさやけである限り、除梗破砕して醸す。これもいったんタンパク質変成温度まで上昇させ、その後一気に冷却する。チラーの目標温度1℃にして、使うドライアイスは10キロ。わずか12・3分で24℃迄落ちる。
2023あさやけ



ブログ更新大変お待たせしました。すいません。その分濃いいのを。
今日からワンチャン掛けたブドウの収穫を開始します。
昨日、発酵タンク2基の調整を終えて、新兵器のチラーも作動を確認。
空で移動するときに転倒の危険性があった100リッターと135リッタータンクに新にエクステンデットプレートと浮き上がりタイプのストッパーにて改良。わずか20分ポンチ絵の設計で完了。試作が出来上がりバッチリ。多分設計というよりもパーツが優秀だった。
ポンチ絵

そして、クロドテンリュウ史上最も再販リクエストのお多いあさやけ製作に用必須な設備。以前から欲しかった恒温度帯チラー。とても広域な温度帯域で稼働するチラー。醸造用ではない。-20℃から80℃ 300リッターを超えるとやや能力に不満が残るがとりあえずは目標温度を目標時間内に達成する。
クロドテンリュウは醸造と蒸留等の設備関係、ハード面はこの規模のワイナリーとしては世界的に見ても充実したものであるがとにかく栽培が問題。
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そんな中、今年は天候に恵まれた。
甲州ブドウで糖度が19度。マスカットベーリーAでも18度近く迄上昇。何より嬉しいのはまったく不良粒がない。奇跡の様な健全さで。テーブルソートの必要がなかった! 不良な粒の発生率は800分の1程度。それでいて酸度もかなり確保できている。仕込みが楽で大助かり!こんなことあと生きてる間に何回あるか。種まで完熟しているので収穫です。ベーリーA
御覧の様にブルームで真っ白。硬かった実も弾力を帯びてぷにょぶにょ感出てきた。
シュールマチリテ完了。
甲州
綺麗に色付き、糖もブドウから果糖に。味覚で成熟が確認できる。酸もあって繊維組織もほぐれて生食でも大変美味しい。

恐らく人類が初めて経験するワインを。ベーリーAワイン。ていうかあさやけがそうだった。
このブドウを除梗搾汁して、酸化防止剤の為AとBを施し。絶対にタブーといわれているブドウの加温をする。今、ボルドー一部の格付けシャトーやアメリカのカルトワインが使う技。Pré-macération à chaud を用いる。20以上の多数の論文を確認して有意義だと判断。今回120キロだけをスターウォーズタンクにいれて。深温度計で〇0温度まで温める。その時間〇時間キープする。そして一気に大量のドライアイスと密閉した氷と、チラーで22℃まで冷却する。吹き出る炭酸ガスの煙が凄い。(撮影に失敗)
その後ゆっくり12℃まで落として発酵開始処置を行う。
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今年最後で最大の収穫量のヴァンダンジュまであと2週間。
偉大な年とはどんな天候でどんな生長をした年だろう。

まずは発芽は遅くも早くもなくていい。平均がベスト言える。春が過ぎて日本とフランス決定的な違いは降雨量、その半分は梅雨。開花の時期が2週間遅れるともろに梅雨の影響を受ける。まずこの梅雨が長引いたり降雨量が多いとブドウ栽培はやりづらくなる。もっとも開花期に大雨が降り、収量が激減した奇跡のスーパーミレジム1961なんていう年もある。ホルドーでいうスーパーミレジムは28.29.45.59.61.82.90だ。恐らく00も09も15も歴史の中ではそう騒がれることはないだろう。あくまでその次のA'だ。ブルゴーニュは45.59.66.71.78これ以外に飲み手の人生を狂わすような年は出てきていない。今年の飯田はどうか?全然届いていない。ところがだ。A'クラスのボルドーの66.72.75.78.79.83.88.89はどれもとても美味しく79の右岸は間違いなく偉大といってもいい。ブルゴーニュのA'は72.74.76.79.82.88.91も同じく見つければ買う年である。近年のシャドーヴィンテージで言うと意外に思われるかもしれないがブルゴーニュの07の白はとてもいい。赤も外さない。どんな年だったか?8月は雨と熱波が交互に訪れた年でクリトス・ブリチェックはまさにジェットコースターだったと語った。本来ならそこそこ雨が降ると気温も下がりぐずつく。平均年程度にしかならないわけだが、違います。どの蔵も美味い。日中は33℃を越えて30mmの降雨量があり、その後また熱波が5日続く、恐れるのは病気です。その反面ブドウの樹液はとても周り、葉の気孔から水分蒸散は続きます。このことはとても大事なことです。光合成には水が必要で土壌の水層が常に入れ替わることはメリットが大きい。何が起こるか?重水素、同位体の凝縮です。この同位体と植物について意外にもに日本ではこの研究が進んでいる。ヨーロッパもアメリカもそう。
重水素栽培というのがある。今話題のトリチウム栽培もある。偉大な年と呼ばれるワインには平年に比べ明らかに重水素が多い。これは今後科学が進み人工熟成と考えの中でもどうにもならない分野だ。自然の産物で人間ではこの水素のプロトン交換を管理できない。だが、今から30mmの降雨があり、30℃越える日が6日続き、夜温が10℃まで下がり、これを2週間ジェットコースターになれば。確実に糖度20を超えて尚且つ香りと粘性を示した。A'として胸を張れる年となるのだが。残念ながらもう秋だ。9月の初めではない。あと2週間で来たブドウでベストを尽くす。

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